中国の公衆トイレで慌てないための使い方ガイド
中国を初めて旅するとき、意外と身構えるのが公衆トイレです。誰もちゃんと教えてくれないけれど、実際はそこまで怖がる必要はありません。先に何が起こるかを知っていれば、落ち着いて対応できます。中国のトイレは一枚岩ではなくて、場所によってかなり差があります。新しい空港や上海のショッピングモールなら、見慣れたきれいな洋式トイレに出会うこともあります。一方で、古い街区や地方の観光地では、しゃがみ式が多かったり、備品が少なかったり、プライバシーがあまりなかったりします。
だからこそ、ちょっとした準備が効いてきます。
この10年ほどで、中国は公衆トイレの改善にかなり力を入れてきました。2015年に始まった全国的な「トイレ革命」で、観光地や交通の要所、各都市の施設が次々と整備されてきたのです。実際、旅行者がよく行く場所では、その変化をはっきり感じることができます。ただ、どこでも同じ品質というわけではありません。場所ごとの差を前提にしておくと、ずっと動きやすくなります。構造、使い方、いくつかの備えを知っておけば、余計なトラブルはかなり減らせます。
入る前に知っておきたいこと
まず押さえておきたいのは、中国でいう「公衆トイレ」はひとつの型ではないということです。地下鉄駅、ホテルのロビー、コンビニ、観光施設、公園、道沿いのサービスエリア、住宅街の共同トイレなど、いろいろあります。どこも同じ基準ではありません。
大都市では、たいていこんな設備に出会います。
- 洋式の座るトイレ
- しゃがみ式トイレ
- 石けんやペーパーの有無に差がある洗面台
- 男性用、女性用、バリアフリーの表示
古めの場所やあまり整っていない施設では、もっと簡素だと思っておいたほうがいいです。清潔ではあっても必要最低限、ということは珍しくありません。紙が置かれていないこともあるし、石けんがないこともあります。鍵も簡単なつくりだったりします。東南アジア、インド、中東、あるいはヨーロッパの古いエリアに行ったことがある人なら、少し似た感覚かもしれません。
大事なのは、限界まで我慢してから探し始めないことです。中国では、いちばん安心なのは「早めに見つけておいたトイレ」です。最後の最後に駆け込む先を探すより、先に見つけておいた場所を使うほうがずっと楽です。
どこで良いトイレを見つけるか
安全寄りの選択をしたいなら、人が多くて、利用者の満足度が問われる場所を狙うのが基本です。
当たりやすいのは、だいたいこんな場所です。
- 空港
- 高速鉄道の駅
- 大型ショッピングモール
- 百貨店
- チェーン系のカフェ
- 大きなホテルのロビー
- 大規模な博物館や観光施設
- 大都市の地下鉄駅
こういう場所は、無料で使えて、案内表示も分かりやすく、清掃の頻度も高いことが多いです。上海、北京、広州、深圳のような都市では、モールや交通機関のトイレが、旅行者の想像以上にちゃんとしていることもよくあります。とはいえ、都市部から少し外れるだけで事情は変わるので、少しだけ目を配っておくと安心です。
おすすめの癖は、良いトイレを見かけたら、まだ切羽詰まっていなくても使っておくことです。後で困らないための、いちばん簡単な対策です。
しゃがみ式は普通のこと
しゃがみ式トイレに慣れていないと、最初はかなり身構えるかもしれません。でも中国では、特に高級ホテルや新しい商業施設以外で、まだよく見かける普通の設備です。仕組みが分かれば、そこまで難しくありません。
実用面で大事なのは、こんなところです。
- 洋式の感覚ではなく、トイレの向きに合わせる
- 足を置く場所があるなら、そこに乗せる
- ちゃんと体勢が安定してから使う
- 不安定なまま浮かせすぎない。滑る原因になります
- 壁や手すりがあるなら、そこが本当に支え用か確認してから使う
リュックや買い物袋を持っているなら、体の前に抱えるか、床に触れないように安全に扱ってください。床に置きたくなる場面もありますが、やめておいたほうがいいです。長ズボンやワンピースなら、入る前に裾を整えておきましょう。
しゃがみ式だからといって、「微妙な場所に来てしまった」ということではありません。中国では、これもごく普通のトイレのかたちです。特別扱いせず、ただの生活インフラとして見れば大丈夫です。
紙、石けん、ゴミ箱
ここで戸惑う旅行者はかなり多いです。
トイレットペーパーが最初から置いてあるとは思わないほうがいいです。新しいトイレならあることもありますが、ない場所のほうが多いくらいです。毎日、ポケットティッシュか小さなトイレットペーパーを持ち歩く習慣をつけておくと、かなり助かります。
石けんも同じです。あるところもあれば、ないところもあります。だからこそ、携帯用のハンドサニタイザーは持っておく価値があります。
それから、便器のそばにあるゴミ箱にも注意です。古い建物や配管が弱いトイレでは、使った紙を流さず、そのゴミ箱に捨てるのが普通という場所があります。表示やその場所の流れに従ってください。そばにゴミ箱があるからといって、何でも捨てる箱だと思い込まないほうがいいです。紙を流すべきでない設計のことがあるからです。
このルールはかなり大事です。流せない紙を流してしまうと、詰まりやすくなって、次の人が困ります。中国では、表示があるならそれに従う、ゴミ箱があるならその意図を読む、これが基本です。
役立つひとこと
中国でトイレを使うのに、完璧な中国語は要りません。けれど、いくつか言えるとかなり楽になります。
使いやすい表現はこんな感じです。
ce suo zai na li?= トイレはどこですか?qing wen, wei sheng jian zai na li?= すみません、化粧室はどこですか?you zhi jin ma?= ティッシュはありますか?zhe li you xi shou jian ma?= ここに洗面台はありますか?nanshi= 男性用nushi= 女性用
急いでいるなら、トイレのマークを指しながら “toilet?” だけでも通じることが多いです。大都市では、案内表示が二言語だったり、かなり見やすかったりします。小さな町では、国際共通のトイレマークがいちばん頼りになります。
焦らないための衛生対策
公衆トイレに対する不安の大半は、結局のところ衛生面への不安です。気持ちは分かります。大事なのは、怖がることではなく、いつもの流れを作っておくことです。
小さなセットを持っておくと安心です。
- ポケットティッシュ
- ハンドサニタイザー
- ウェットティッシュ
- 予備としての小さなトイレットペーパー
これだけで大半の場面はこなせます。
入ったら、床と個室の状態を見てから決めてください。いちばん近い場所ではなく、いちばんきれいな個室を選ぶのが基本です。混んでいるトイレでは、ひとつだけ状態がかなり良いこともあります。座るタイプとしゃがみ式の両方があるなら、自分が安全で使いやすいほうを選べばいいです。
スマホ、パスポート、搭乗券を、必要もないのにどこかに置かないこと。これはどこでもそうですが、特に公衆トイレでは置き場が少なかったり、衛生面が気になったりします。
床が濡れているときは慎重に動いてください。清掃のために水を多く使うトイレもあり、足元が滑りやすいことがあります。靴は意外と大事です。慣れていないのに、きれいとは言いにくい場所でサンダルを選ぶのはあまりおすすめしません。
困ったらどうするか
迷ったら、近くの人にトイレの場所を聞けば大丈夫です。人の多い場所では、スタッフも案内に慣れています。ホテル、モール、駅なら、短く一言聞くだけでずいぶん早く済みます。
やり取りを楽にするコツもあります。
- 短く話す
- 必要ならトイレの表示を指す
- 落ち着いて、はっきり聞く
- 長く説明しすぎない
観光地なら、簡単な英語が通じることもありますが、毎回そうとは限りません。だからこそ、言い方は簡潔なほうがうまくいきます。
駅や空港にいるなら、記憶だけに頼らず、案内表示に従ってください。こうした場所は広いので、トイレの位置もかなり細かく案内されています。
旅行者が知っておきたい特殊な場面
いくつか、少しだけ別扱いしたほうがいい場面があります。
まず観光地です。整備が行き届いていることも多いのですが、ピーク時には一気に混みます。祝日や週末は、トイレに列ができることも珍しくありません。混雑前に済ませておくのが正解です。
次に古い街並みです。伝統的な路地や古い住宅地では、公衆トイレの数が限られていることがあります。小さなカフェや個人店に、公衆トイレが当然あると思わないほうが無難です。ある店もあれば、ない店もあります。
それから地方への移動です。長距離の車移動や小さな町では、トイレの質がかなり下がることがあります。できるだけサービスエリア、チェーンホテル、大きめのガソリンスタンド系の休憩所を使いましょう。
最後に高速鉄道。駅のトイレは比較的安心ですが、車内のトイレは、初めての人には少し使いにくいことがあります。可能なら、乗る前に駅で済ませておくのがいちばんです。
使い方のマナー
いくつかの基本を守るだけで、かなりスムーズになります。
個室を汚したまま出ないこと。片付けを誰かがやってくれる前提で使わないことです。清掃の人がいるなら、その人が多くの利用者を前提に回している、という意識を持っておくといいです。
洗面台や鏡の前をふさぎながら、バッグやスマホの整理をしないこと。人の出入りが多いトイレでは、意外とスペースがありません。
見た目が実用一点張りでも驚かないこと。公衆トイレの役割は、まず機能することです。旅先では、それで十分です。
そして、最初の体験が少し気まずくても、必要以上に気にしないこと。誰でも中国のトイレでひとつはエピソードがあります。たまたまひとつの個室が合わなかったからといって、その国全体を決めつけないのがコツです。
いちばん大事なのは、良いトイレを早めに使うこと
結局のところ、いちばん効くルールはこれです。明るくて、きれいで、表示が分かりやすいトイレを見つけたら、その場で使ってしまうこと。次のほうが良いかもしれない、なんて賭けはしないほうがいいです。
この習慣だけで、時間もストレスもかなり減ります。中国ほど大きい国だと、トイレの状態は通りごと、駅ごと、建物ごとに変わります。旅がうまい人は、勇敢な人ではなく、必要になる少し前に動ける人です。
中国の公衆トイレは、幅があると分かればもう怖くありません。新しくて使いやすい場所もあれば、最低限の設備の場所もあります。しゃがみ式もあれば、紙がないこともあります。でも、ちょっと準備して、現実的に考えておけば、大半の旅行者は普通に乗り切れます。
ティッシュを持つ。サニタイザーを持つ。良いトイレを見つけたら先に使う。表示に従う。そんな基本で十分です。地球の反対側にいても、トイレはトイレです。
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中国の公衆トイレは無料ですか?
都市部、モール、駅、公園、観光地の公衆トイレは、ほとんど無料で使えます。小さな場所や古い施設では例外的なルールに出会うこともありますが、大都市では無料が普通です。
トイレットペーパーは必ずありますか?
いいえ。あることもあれば、ないこともあります。頼りにしないでください。毎日、自分でティッシュか小さめのトイレットペーパーを持っておくのが安全です。
しゃがみ式トイレは今でも多いですか?
はい、今でも広く使われています。特に新しいホテルや高級商業施設以外ではよく見かけます。大都市のモールや空港では、洋式トイレもよくあります。
中国の公衆トイレは安全に使えますか?
はい、旅行者の実感としては安全に使えます。主な問題は、使い勝手や清潔さの差、備品の不足であって、危険そのものではありません。
紙をゴミ箱に捨てるトイレではどうすればいいですか?
その場所のルールに従ってください。便器のそばにゴミ箱があり、紙をそこに捨てるよう案内があるなら、その通りにします。どのトイレでも紙が流せると思い込まないことです。
初めての旅行者にとって、いちばん良いトイレ対策は何ですか?
空港、高速鉄道の駅、大型モール、ホテルのロビーで、良いトイレを見つけたら早めに使うことです。限界まで我慢しないこと、そしていつでもティッシュを持ち歩くことです。
中国語でトイレはどう聞けばいいですか?
ce suo zai na li? か qing wen, wei sheng jian zai na li? が使いやすいです。多くの場所では、トイレの表示を指さすだけでも通じます。